怪我人の救護が最優先

事故が起きたときに最初にするべきなのは人命救助

自動二輪や自動車の教習を受けに行くと、必ず講習として救急救命活動について教えられます。

免許をとりに行ってどうして心臓マッサージや人工呼吸の方法を学ばないといけないんだろう?と思うところですが、これはもし事故に巻き込まれた場合には誰もが必ず負うことになる「救護義務」に基づくものです。

ドライバーやライダーは必ず運転中に「救護義務」を負うものとなっており、仮に自分自身が起こした事故でなくても、路上や身の回りに生命の危機にある人がいた場合には救護活動をしなくてはならないと定められています。

極端な例として挙げられるのが「ひき逃げ」で、自分の運転中に誰かに怪我を与えその人が自力で動けなくなってしまった場合には直ちに安全な場所に移動させなくてはいけません。

事故を起こした後にその発覚を恐れて逃げるという人もたまにニュースで伝えられますが、そうしたひき逃げ行為をした場合には通常の事故の場合と比較してかなり重い罰則が適用されることになります。

行き逃げをするという行為は単に倫理的に不道徳であるとされるだけでなく、事故を起こしたことに加えて救護義務の違反をしているという二重の罰が加わるためです。

もし自分が走行中に倒れている人を見かけたら必ず停車をして安全を確保するとともに救急車を呼ぶなど義務を果たしましょう。

2次事故による死亡例も非常に多い

何年か前にお笑い芸人の桜塚やっくんが高速道路上で自動車にひかれてなくなるという痛ましい事故が起こりました。

これは同乗していた運転手が高速道路での運転を誤り中央分離帯に衝突をしてしまったあとに、事故の処理をしようとして道路上に出たところ不幸にして別の車にぶつかってしまったということが原因でした。

実際の事故現場ではこうした2次事故というのは大変によく起こっており、最初に事故が起きたときにどういった対応をするかによって怪我人や死亡する人の数や様態もかなり変わってきます。

自分自身が事故に巻き込まれたり事故を目撃したりした時には、まずはその事故による怪我人はいるかやどんな様子であるかということを最初に確認します。

一見外傷がなさそうに見える人であっても、衝突された車に乗っていた人というのは同乗者を含め脳に強い衝撃を受けている可能性があります。

しっかりしているように見えても念のため救急車は呼ぶようにして、早めに検査を受けてもらうようにしましょう。

交通事故における怪我というのは後から発覚するものもかなり多いのです。

現場の保全をしつつ安全を確保する

事故後の現場での動きというと、考えてしまうのが現場の保全です。

事故現場はあとで実況見分するときのためにできるだけ動かさないようにすることが確かに望ましいのですが、そのままにしておくと後続の車が誤って接触をしてしまう恐れがある場合などはすみやかに道路わきに動かす方がずっと大切になります。

また事故で怪我をした人がいるという時にも、むやみに動かすことで脳の血管などに症状が誘発される可能性は確かにあるものの、道路の真ん中に倒れたままにしておくよりは自動車の走行のない脇に動かした方がずっと安全です。

できれば他の人に協力してもらいながらゆっくりと動かすようにし、発煙筒など周囲に危険を知らせることができる道具を使用して事故が起こっていることをわかるようにしましょう。