自損事故でも警察に届けを提出する必要がある

自損事故(単独事故)となる具体的なケース

自動車保険の広告などを見ていると、よく聞かれるのが自損事故という言葉です。
「自損事故」という言葉からもわかるように、自動車の事故において誰か加害者・被害者がいない場合にも事故は発生します。

具体的にはカーブを曲がりきることができずに道路からはみ出してガードレールや植林に激突をしたり、自宅で駐車場に入れようとして自動車をぶつけてしまったような場合です。

自損事故は別名「単独事故」とも言われており、その事故によって何らかの損害を被ったのは事故を起こした本人ということが特徴です。

大半の自動車事故においては他の車両や通行人、あるいは他の人の所有物(建物、壁、店舗などの建築物やペットなど)に損害を与えることで発生をするので、その時にはどちらがどのくらい悪かったかということを事後検証によって明らかにしていきます。

しかし自損事故の場合相手がいませんので事故の加害者も自分、被害者も自分、つまり過失は100%自分ということになります。

注意したいのが、自損事故の場合には自賠責保険の対象にならないということです。
自動車やバイクの登録をした時には必ず強制保険として自賠責保険に加入をすることになります。

しかしこの自賠責保険は保険と言っても補償をするのは事故によって被害を受けた相手方に限定されるので、事故を起こした本人が受けた損害については対象外となります。

言い換えれば任意保険に加入をしていなかった時にはその損害はすべて自分が実費で補償していかないといけません。

警察に届けを出さなかった場合

補償を受けられないのであれば警察などに届ける必要はないのかというとそういうわけではありません。
他に被害者のいない事故であっても、本人が重大な怪我をしていることはよくありますのでまず事故を起こしたら早めに周囲の状況を確認しましょう。

交通事故により周囲の物品を破壊した場合には、必ず警察に届け出ることになっています。
特にガードレールなどは公共物であることから、警察に届け出ないと公共物を破損したということでまた別の罰則が対象になります。

物損事故への通報義務は道路交通法第72条第1項後段に記載されており、それを怠った時には罰則として3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が適用となります。

自損事故を起こしたら速やかに110番で通報し、到着までに二次被害が発生しないように危険防止措置を取っていきます。

危険防止措置も義務規定となっており、事故を起こした車両を道路から安全なところに移動させたり、危険な破損部品をどけたりといったことをしなければいけません。

また衝突や転落をした時には目立った外傷がなくても必ず病院へいきましょう。
あとから重大な健康被害が発生する可能性があります。