握りゴケとはなんのことか?
握りゴケとは、バイクにまたがってフロントブレーキバーを握ったときにコケてしまう状態のことです。
バーを握るのをきっかけでころんでしまうので、この名称が付けられています。
バイクの初心者はもちろん、新しいバイクを乗り始めたばかりのころ、あるいは慣れない排気量の多い大型バイクを乗ったときなどに生じる恐れがあります。
「立ちゴケ」の一種として扱われることもありますが、立ちゴケは基本的にバイクを運転していないときにコケてしまうのに対し、こちらは走行中にコケてしまう状態です。
ですから、一般的な立ちゴケと比べても危険度が高いと言えるでしょう。
握りゴケが起こりやすいシーンは3つある
バーを握ることで走行中に転倒してしまうケースでは、まずパニックブレーキによるものが挙げられます。
例えば走行中に急に歩行者が車道に飛び出してきた、前を走っていた車が急停止または急減速したときに、ブレーキレバーを力いっぱい握ってしまうことで生じます。
このように急にフロントブレーキをかけると、フロント部分への負荷が急に大きくなり、フロントタイヤがロックすることで転倒しやすくなってしまいます。
2つ目のケースは、コーナーリングの際に発生するケースです。
これは日常の運転ではあまり起こりませんが、スピードを出してツーリングしているときに注意が必要です。
コーナー進入時にブレーキをかけることで生じます。
スピードを出しているときやレース中にはギリギリのブレーキングを行うことが多く、ただでさえコーナーリングで車体が傾いている状況でブレーキをかけるとフロントタイヤがロックしてしまうのです。
3つ目は、立ちゴケと似たようなシチュエーションで起こるケースです。
例えばUターンをするときや赤信号で停車するときなど、不安定な状態でブレーキバーを強く握ることでバランスを崩してしまい、転倒してしまうリスクが生じるのです。
対策方法は?
1つ目の原因に関しては、2012年10月より126cc以上のバイクに対してABSというタイヤのロックを防ぐシステムの搭載が完全義務化されたことで大きな変化が起こりました。
これ以降の新しいバイクでは、握りゴケのリスクが大幅に減少することになります。
このシステムが導入されていないバイクの場合は、急ブレーキを避けること、急ブレーキを掛ける必要がある場合にはますブレーキペダルを軽く踏むことでフロントへの負担を減らすのが確実な対策方法です。
2つ目の対策では、あまりスピードを出しすぎないこと、無理なコーナーリングを避けることが第一です。
そして3つ目の対策では、立ちゴケ対策の一環として車体のバランスを崩さないよう意識してバイクを扱うようにすることがポイントとなるでしょう。
ABSの搭載によって危険性は大幅に減りましたが、運転環境によってはかなりの上級者でも起こりうる事故なので注意したいところです。